抄録
近年の計算機性能の急速な向上にともなって,生体や細胞などの機能を計算機上で構成し,シミュレーションによって病気の原因解明,病態の把握などの解析を行おうとする生体・細胞シミュレーションの研究が盛んになっている.その中で,血糖値調節機構に関する研究も行われているが,従来提案されている血糖値調節機構モデルのほとんどは,全身の血行動態を考慮に入れておらず,また,血糖値に応じたインスリン分泌速度を含めた全身のモデルとなっていなかった.そこで本研究では,全身の血行動態を考慮に入れた詳細なモデルを作成する第一段階として,門脈におけるインスリン作用に注目したモデルを構成し,シミュレーションによりその有効性を検討した.