近年問題となっているスパムメールの対策の1つに,各ユーザー単位で受信メールの特徴を学習することにより,正常なメールからスパムメールを識別する方法がある.その学習に,汎化性を有するパターン識別の一種であるサポートベクトルマシン(SVM)を用いる方法が提案されている.しかし,従来の方法では十分な量のデータを用いた1回の学習のみで識別器を構成しており,ユーザーの受信メールの特徴に変動があった場合に問題がある.本研究では,逐次的に受信するメールを用いた,追加学習型プロキシマルSVMによるスパムメール識別法を提案する.この方法では,従来のSVMに比べ計算量を抑制することが可能となり,より実用的である.