抄録
近年、制御システムの研究において微分方程式で表される連続時間システムとオートマトンで表される離散事象システムが混合したハイブリッドの研究が活発に進められている。電力系統においてもハイブリッドシステムの適用が検討され始めており、筆者らも電力自由化後の系統擾乱による影響を考慮したハイブリッドシステム理論の系統解析への適用を提案している。本稿では連続システムの安全性の解析手法として、システムが安全に運転できなくなる状態をシステムの危険集合と考え、Usable Partを用いた危険集合への可到達集合を算出する方法を述べる。この手法は危険集合に到達する時間を考慮したもので、時間領域を含んだ安全性の解析が可能となる。そしてこの可到達集合による安全性の解析手法のハイブリッドシステムへの適用を行う。その適用例には2回線の送電線で連系された1機の発電機と無限大母線より構成される電力系統を用いた。