抄録
現在,様々な分野において,安全性の高い空気圧駆動ロボットに関する研究が行われており,我々もそれらに組み込み可能な拮抗型空圧人工筋駆動機構を用いた実験装置に対して,正確な位置決めを実現するための研究を行なっている.この実験装置は,駆動機構に空圧人工筋を用いており,そのため軽量性や柔軟性に優れているが,空気の圧縮性の問題や人工筋の非線形性などから正確な位置決めが困難である.そこで過去の研究において我々は,2自由度LQIサーボ系の設計法をこの実験装置に適用し,ステップ状目標値に対して高精度の位置決め制御を達成した.さらに本研究では,2自由度LQIサーボ系を一般化したプラント変数(Plant Variable)最適ロバストサーボ系の設計法を実験装置に適用し,より一般的な目標値であるランプ状目標値に対して,高精度の追従制御を達成する.