抄録
本発表では、入力にアファインな非線形系に対して、入力に重みが付いた低次元化の方法について述べるものである。筆者らは、これまで平衡実現の概念を非線形系へと拡張させ、非線形モデルの低次元化の方法を得る方法を示した。しかし実用上、すべての入出力を平等に扱う低次元モデルを得るよりも、ある重みを付けて低次元化モデルを得る事が非常に重要になってくる。この問題に対して、線形系でのEnnsが示した重み付き平衡実現低次元化の方法をそのまま非線形系に拡張することを考察したが、線形系の場合との関連をうまく付ける事ができず、妥当な結果が得られない事が分かった。しかし今回、安定性保証のためSreeramらによって修正された方法を用いることで、入力重みだけの場合に非線形系への拡張が得られたので、前半にこの方法を示す。さらに具体的な計算方法としてTaylor展開を用いた計算法を示す。