抄録
近年、車載用を始めさまざまな分野で測距センサが注目されている。測距センサは測定媒体として電波を用いたものと光を用いたものに大別されるが、コスト的に優位な光が広く用いられる。そのなかで、高精度かつ高速応答を持つセンサが望まれるが、複雑な回路を要するため高価となってしまう課題があった。そこで本稿では、光パルス式測距センサに適応可能な測定対象の任意の距離に対する遠近判別処理と、コンピュータアルゴリズムの二分探索を応用した距離の絞込み処理とを組み合わせた「動的二分探索アルゴリズム」を提案する。本手法をもちいることで複雑な構成とすることなく従来と同精度にて処理時間の短縮化が期待できる。また、実機検証でその効果を確認したので報告する。