抄録
従来道路交通騒音に混入する異常な測定値を,サンプリング毎の測定レベルとその変化量(L(i),ΔL(i))の必要条件集合を利用して検出することが提案されている。しかしながらこの手法は,逆に必要条件集合内ではその検出力を失う問題点がある。この問題は例えば,航空機騒音などが道路交通騒音に付加し,細かな変動性状を示す場合に生じる。特に,高レベル域ではLAeqの測定誤差原因となる。そこで本研究では,このようなレベル変動性状を示す測定データ箇所を機械的に検出する一手法を提案している。具体的には高レベル域の測定レベルデータ{L(i) |i=1,2,…}に変動状態ラベルを貼り,状態遷移図から細かな変動回数を計数した後,この回数の異常を統計的に検定することを提案している。更にその有効性を実測レベルデータに適用して検討している。