抄録
電子化された文書には,編集や検索,他の電子データへのリンクを行えるといった利点がある.しかし,現実には電子化されていない文書も多く,貴重な文書や共有の文書には直接書き込みを行えないという問題もある.そこで本研究では,紙の文書に対して注釈情報を入出力できるシステム,いわば電子書見台を提案する.提案システムでは,ユーザが入力した注釈情報をデータベースに格納し,ネットワークを介して共有する.同時にカメラで文書の位置,ページ番号を取得し,それに基づいて適切な注釈情報をプロジェクタで文書の紙面に投影する.提案システムを試作し,ページ番号や文書の配置の認識と注釈情報の文書へ表示を試みた.