抄録
現在使用されている生産システムにおいては工程設計案が固定されている.結果,刻々と変化している生産現場の状況にうまく対応できず,生産効率を悪化させる原因になる.また,設計者の意図が工程設計案に反映されない場合も少なくない.そのため,設計者が望んだ機能が製造された部品で実現されていない場合もある. 本研究では,設計者の意図を考慮した工程設計を行うシステムを提案する.本システムは,まず利用可能な工程設計案を複数生成する.工程設計案は複数の加工フィーチャの組み合わせと各組み合わせの加工順序を含んでいる.設計案を絞り込む際に,幾何公差・寸法公差・表面粗さ等の設計意図を考慮している.次に加工時間を評価することで,より適切な工程設計案を選択して加工を行う.