抄録
近年の生産現場においては個別受注に近い生産を必要とするため、多品種少量生産形態を取る工場が多い。このような工場では納期を遵守することが重要とされるため、ジョブの分割や能力の調整など、ジョブを設備に割り付けること以外に他の決定変数を扱う場合が発生する。しかしながら、多数の決定変数を必要とするスケジューリング問題では解の質と計算時間で優れた解を探索することは困難である。とくに、遺伝的アルゴリズムにおいては決定変数の増加は解の質に大きく影響する。本研究では納期重視のスケジューリング問題に対して、解の質の向上と計算時間の短縮を目的としてヒューリスティックス法を組み込んだ遺伝的アルゴリズムを提案した。提案法を、ジョブの分割を含む、フレキシブルフローショップ問題に適用し、提案法の有効性と特徴を調べた。