抄録
線形変換回路はDFT・DCTなど様々な変換において使われている回路であり、ハードウェアで実現する場合、遅延時間・回路規模をできるだけ小さくすることが要求される。そのために定数乗算器をシフト加算に置き換え、それらを共有化する方法が提案されているが、それらの組み合わせの最適化問題では、係数行列のサイズが大きくなるに従い、計算時間や最適性に問題が生じることが知られている。
そこで本研究では、係数行列を分割し、シフト加減算を決定する際の検索に制限をかけ、それぞれを最適合成することによって、計算時間削減を行う方法を提案する。その際、入力の順序によって遅延時間・回路規模が変化するため、入力順序を組み合わせ最適化問題として扱い、線形変換回路合成の解の最適性と計算時間の関係の検証を行う。