抄録
我々の体内で24時間を刻む概日リズム時計は、周期的な外界環境から情報を受
け取り、自己の時刻を外環境に適用させてゆく機能を持つ。いかにして概日リズ
ム時計は外環境にあわせて時刻を制御しているのだろうか?
我々は最近、合成生物学的手法により光応答性を実装した哺乳類概日リズム細胞
を用い、その光刺激適応機構を定量的に解析することによって、特定の光で概日
リズムが止まる(時刻が定義不能になる)Singularity現象を同定した。この
Singularity現象を中心に、概日リズム細胞の光環境応答性を定量的な実験デー
タと理論的なアプローチを組み合わせることにより解析した結果、我々は個々の
細胞の光応答性と細胞のゆらぎとの相互作用が光応答性とSingularityの発生の
決定的な機構であることを証明することに成功した。本発表ではこの概日リズム
の光環境適応機構について示したい。