抄録
Stanleyらはニューラルネットの構造と重みの同時最適化のための進化計算手法NEATを提案している.NEATでは類似した構造を有する親個体に対してのみ交叉オペレータを適用すべきであるとの立場から,類似構造をもつニューラルネット対の効果的な特定に適したコード化および類似構造をもつニューラルネットに適した交叉オペレータなどを採用しており,良好な実験結果を得ている.しかしながら,NEATの世代交代モデルには改善の余地が残されている.本研究では同モデルの問題点を指摘し,その改良版を提案すると共に,提案モデルの有効性,特に性能の安定性および解の汎化性能などに関する実験的考察を行う.