抄録
近年の医療現場は患者の治療に対する満足度の向上を目標としている.
患者が症状に対する考えや治療への期待などの意見を医師に伝え,医師はその患者に適した治療方針を提供するというコミュニケーションが患者の満足度に影響を与える.
しかし顔面疾患のような患者によって多様な意見が存在する疾患においては,患者が気になっているが言葉に出来ない意見がある場合があり,医師がそのような内面的な意図を全て引き出すことは容易ではない.
本研究では,医師が患者の内面的な意図を取得する支援を行うことを目標とする.
具体的には表情合成を用いた表情設定を行うことでユーザに自分の表情に対する考えを意識させることを目的とし,実験により手法の有用性の検討を行う.