抄録
近年,「伝え合う力」の育成にむけ,グループの話し合いが小学校の授業に導入されている.
「伝え合う」とは双方向のやりとりであり,話し合いの中で自己と他者との関わりの意識は重要であるが,話し合いの中での意識は容易ではない.
そこで,個人の特徴を表す生態指標の中で「引き込み」の概念が存在する心拍に着目した.個人の心拍情報を入力とし,二者間の心拍同調を計算し,同調組数に応じて明るさが変化する電球を出力とすることで、他者との関わりへの意識を促すシステムを提案する.
小学生の話し合いの場で本システムを利用してもらい,他者との関わりへの意識の程度を調べる.
実験の結果より,心拍数同調情報の利用による他者との関わりへの意識の促進の有無を明らかにする.