システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集
第54回システム制御情報学会研究発表講演会
セッションID: F311
会議情報

生命現象の数理モデル:物理・化学かシステム・情報か?
*土居 伸二
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
近年,システムバイオロジーを初めとして,生命現象をシステムとしてモデル化し,生命現象の本質に迫ろうとする研究が盛んである.生命をシステムとして捉えること自体は,極めて古くから行われている.古いどころか,「生命とは何か」を考える生命論自体が,本質的にシステム論的研究であったと言える.一方,近年の「複雑系」や「創発」という言葉の流行りが暗示するように,20世紀に偉大な進歩を遂げた物理学や化学など,デカルト以来の要素還元主義的科学も行き詰まりを見せ,生命現象の前には全く歯が立たないように見える.本講演では,生命現象の中で最も成功をおさめた現象論である,電気生理現象のHodgkin-Huxleyの理論・モデルを中心に,生命現象の本質を明らかにする上で,システム・情報科学的(あるいは人文科学的)方法論の重要性を訴えたい.
著者関連情報
© 2010 システム制御情報学会
前の記事 次の記事
feedback
Top