抄録
機械学習における追記学習では,逐次的に新しいサンプルの学習と運用とを交互に行う.
このように運用と学習とが交互に行われる状況下では,学習機械は過去に提示されたサンプルを忘却せず,且つ未知サンプルに対しても妥当な出力を出すことが要求される.逐次的に行われる個々の学習期間と,その後の運用期間に着目した場合,運用期間に提示されるパターンの分布は既に学習したパターン分布と一致するとは限らず,未知のサンプルも含んだ異なった分布になる可能性が高い.このような環境をVirtual Concept Drift環境とみなしてモデル化することによって,将来のデータ分布に対する誤差を最小にするための重みつき誤差関数とモデル選択基準を導出する.