抄録
人間はそのとき抱いている感情により,表情や動作等が異なる場合がある.よって,人間は表情や動作から相手の感情を推定し,より円滑なコミュニケーションを行おうとする.もし,機械が人間同様に,人間の感情を推定することができれば,人間と機械がより円滑にコミュニケーションできると考えられる.本稿ではこのことに注目し,その基礎研究として,歩行動作時の感情推定について述べる.歩行動作時に装着した加速度センサから得られた加速度情報をもとにした,計算機による感情推定実験を通して,提案手法を評価した.その結果,提案手法は加速度センサから得られる極めて単純なデータを特徴量とするものの,高い推定率で感情を推定可能であることが確認できた.