Strength and Conditioning Journal Japan
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研究助成成果報告書
暑熱環境下のソフトボールにおける運動前およびイニング間のアイススラリー摂取がピッチングパフォーマンスに及ぼす影響
柳岡 拓磨沼田 麗長谷川 博
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2024 年 31 巻 4 号 p. 22-27

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抄録

本研究の目的は、イニング前およびイニング間のアイススラリー摂取が、暑熱環境下での体温およびピッチングパフォーマンスに及ぼす影響を検討することとした。2試行の無作為化交差試験を用いて、アマチュアソフトボール投手7名(男性4名、女性3名)は、7イニングで構成されるソフトボール模擬試合を行なった(1イニングの投球数:15球)。2試行は、コントロール試行(CON:模擬試合前に5.0 g/kg、イニング間に1.25 g/kgの冷えたスポーツ飲料を摂取[9.8±2.2 ℃])とアイススラリー試行(ICE:CONと同じタイミングと用量でアイススラリーを摂取[-1.2±0.1 ℃])とした。参加者は、夏季の屋外グラウンド(気温:30.8±2.7 ℃、相対湿度:57.0±7.9%)で両試行を行なった。プレクーリングによる直腸温の低下は、CONと比較し、ICEで有意に大きかった(p=0.021,d=0.68)。模擬試合中の直腸温の変化、平均皮膚温、球速とストライク率は、試行間で有意な差は認められなかった(p>0.05)。イニング前とイニング間のアイススラリー摂取はソフトボール投手の深部体温を低下させたが、ピッチングパフォーマンスは改善させなかった。

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