静脈学
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症例
静脈内異物の4例
高山 豊児玉 俊井利 雅信杉下 岳夫大野 烈士田中 一成山下 宏治
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2002 年 13 巻 3 号 p. 223-227

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抄録

静脈内異物の4例を経験したので報告する.症例は38歳から90歳,男性1例,女性3例で,異物は中心静脈カテーテルを誤って自己抜去した際のカテーテル片(2例),カテーテル留置時のガイドワイヤー(1例),心腔内の電気生理学的検査時に挿入したシースイントロデューサーの断片(1例)であり,いずれも医原性であった.これらは,右内頚静脈から大腿部(1例),上大静脈から右心房(2例),右外腸骨静脈(1例)にあって,手術により(2例),経皮経管的に(1例),あるいは両者の併用により(1例)除去した.除去までの時間は1時間30分から4ヶ月であったが,除去に際して肺塞栓等の合併症を生じなかった.

静脈内異物はそのほとんどが医原性であり,その除去には安全で,確実な,臨機応変の法を選択すべきである.

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