Strength and Conditioning Journal Japan
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下肢間の非対称性にトレーニング介入がもたらす効果:システマティックレビューとメタアナリシス
Francesco BettarigaAnthony TurnerSean MaloneyLuca MaestroniPaul JarvisChris Bishop
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2024 年 31 巻 5 号 p. 33-50

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抄録

近年、アスリートにおける下肢間の非対称性が研究されている。しかし、トレーニング介入が下肢間の非対称性にもたらす効果については、ほとんど検証されていない。そこで本稿では、トレーニング介入の効果について、トレーニング前後における下肢間の非対称性の変化を明らかにすることを目的とした。さらに、トレーニングプログラムの効果を、介入群と対照群との比較において検証することとした。データベース検索を実施した結果(MEDLINE、CINAHL、およびSPORTDiscus)、8件の研究をメタアナリシスに採用した。結果は、トレーニング介入の前後で、シングルレッグブロードジャンプ(SLBJ)および方向転換(COD)スピードにおける下肢間の非対称性に小さな低減がみられた一方、シングルレッグカウンタームーブメントジャンプ(SLCMJ)およびシングルレッグラテラルジャンプにおいては中程度の効果がみられた。また、トレーニング介入群と対照群を比較した結果、SLBJにおける下肢間の非対称性の低減については、トレーニング群に小さな効果がみられた一方、SLCMJとCODスピードについては大きな効果がみられた。したがって、トレーニング介入は、トレーニングプログラムの前後で、下肢間の非対称性に小~中の低減効果をもたらす可能性がある。片側性または両側性のストレングストレーニングが、これらの低減を引き起こすと考えられる。さらにトレーニング介入は、対照群と比較して、下肢間の非対称性の低減により大きな効果を示した。ただし、今後さらなる研究が必要である。

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