Strength and Conditioning Journal Japan
Online ISSN : 2759-0674
Print ISSN : 1883-4140
31 巻, 5 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
特集
From Strength & Conditioning Journal
  • William T. Davies, Paul J. Read
    2024 年31 巻5 号 p. 16-32
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/06/01
    ジャーナル 認証あり

    カッティングにおける、前十字靭帯の損傷リスクを低減させるテクニックの指導に役立つ、エビデンスに基づく指針はきわめて少ない。バランスエクササイズ、ジャンプの着地、カッティング動作、カッティング前ステップの修正は、それぞれ単独で、カッティングのバイオメカニクスを適切なものに変える可能性がある。カッティングの連続的スキルを各構成要素に分解すれば、修正可能な欠点を特定して、練習機会を増やすことができるであろう。さらに、オープンな環境での競技場面への適応と転移を促す因子として、着地の際における荷重方向の特異性、身体能力の構築、および外的集中のキューイングの利用などが考えられる。

  • Francesco Bettariga, Anthony Turner, Sean Maloney, Luca Maestroni, Pau ...
    2024 年31 巻5 号 p. 33-50
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/06/01
    ジャーナル 認証あり

    近年、アスリートにおける下肢間の非対称性が研究されている。しかし、トレーニング介入が下肢間の非対称性にもたらす効果については、ほとんど検証されていない。そこで本稿では、トレーニング介入の効果について、トレーニング前後における下肢間の非対称性の変化を明らかにすることを目的とした。さらに、トレーニングプログラムの効果を、介入群と対照群との比較において検証することとした。データベース検索を実施した結果(MEDLINE、CINAHL、およびSPORTDiscus)、8件の研究をメタアナリシスに採用した。結果は、トレーニング介入の前後で、シングルレッグブロードジャンプ(SLBJ)および方向転換(COD)スピードにおける下肢間の非対称性に小さな低減がみられた一方、シングルレッグカウンタームーブメントジャンプ(SLCMJ)およびシングルレッグラテラルジャンプにおいては中程度の効果がみられた。また、トレーニング介入群と対照群を比較した結果、SLBJにおける下肢間の非対称性の低減については、トレーニング群に小さな効果がみられた一方、SLCMJとCODスピードについては大きな効果がみられた。したがって、トレーニング介入は、トレーニングプログラムの前後で、下肢間の非対称性に小~中の低減効果をもたらす可能性がある。片側性または両側性のストレングストレーニングが、これらの低減を引き起こすと考えられる。さらにトレーニング介入は、対照群と比較して、下肢間の非対称性の低減により大きな効果を示した。ただし、今後さらなる研究が必要である。

  • Robin M. Orr, Robert Lockie, Anssi Saari, Tommi Paavola, Dagmar Muhlba ...
    2024 年31 巻5 号 p. 51-56
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/06/01
    ジャーナル 認証あり

    捜索救助(SAR)隊員は、職務において外的負荷の装着および運搬を課せられる。外的負荷の運搬は、過酷な環境下で、予測不可能な地形を移動しながら実施されることもある。他のタクティカルな職種(兵士、法執行官、消防士、救急隊員)と同様に、SARにおいて運搬する負荷は20~45 kgに及ぶ。これらの負荷は、運搬者の筋骨格系、外皮系、および神経系に様々な傷害を引き起こすだけでなく、負荷が職務パフォーマンスの妨げとなり、ひいては任務の失敗に繋がることが知られる。職務において外的負荷を運搬できる体力を身につけることは、このような傷害およびパフォーマンス低下の潜在的リスクを低減する上できわめて重要である。最適な負荷運搬のためのコンディショニングにおいては、既存の頻度、強度、時間、トレーニングの種類の原則に基づき、SAR隊員は、負荷運搬に特異的なセッションを7~14日ごとに、標準的なSARの負荷の重量、歩行速度、および継続時間を用いて実施する。同様に、地形の種類(地形の勾配や性質)の要素も、コンディショニングのプロセスに取り入れるべきである。負荷運搬に特異的なセッションに加え、筋力(特に相対筋力)と有酸素性能力の向上も、SAR隊員の負荷運搬のためのコンディショニングを最適化する。

  • Francis M. Kozub, Justin Faller, Jesse M. Kozub
    2024 年31 巻5 号 p. 57-67
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/06/01
    ジャーナル 認証あり

    がんと診断されたマスターズレベルのウエイトリフティング選手は、治療を成功させる計画の一部として、トレーニングに復帰することができる。高齢者はがんのリスクが高いとされるが、マスターズのウエイトリフティング大会に参加している高齢者も世界中に大勢いる。このようなアスリートにとって、診断前に楽しんでいた活動を再開することは、日常生活への復帰の一部である。本稿では、手術による身体の変化、がん治療による副作用、高齢のアスリートに影響を及ぼす加齢による衰えなどを考慮した上で、ピリオダイゼーションの原理と統合した自主的調節を用いることを推奨する。手術や化学療法、放射線治療を受ける際は、治療による副作用を経験しているアスリートの安全で順調な回復を保証するために、ワークアウトを診断前のレベルから変更する必要がある。ストレングス&コンディショニング(S&C)専門職は、数ヵ月に及ぶ治療サイクルの中で調子の良い日も悪い日も経験するがん患者を、日々のエクササイズ処方においてサポートする必要があり、そのための有効な方法として自主的調節を推奨する。レジスタンストレーニングは、回復を成功させるためのエビデンスに基づくひとつの実践である。本稿の助言は先行研究に基づいており、マスターズウエイトリフティング選手が高度なレジスタンストレーニングに復帰するためのプログラムの作成に役立つだろう。

  • Kaushik Talukdar, Mike McGuigan, Craig Harrison
    2024 年31 巻5 号 p. 68-76
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/06/01
    ジャーナル フリー

    スプリントスピードは多くの競技できわめて重要な役割を果たし、基本的な運動スキルと考えられている。スプリントスピードの向上には様々なトレーニング方法を利用することができるが、先行研究では、ストレングスおよびプライオメトリック(S&P)トレーニングが有効であることが示されている。ただし、ほとんどの研究は、成人および若年男性を対象とするものであり、成熟期の若年女性(学生)への効果を調査した研究は少ない(成熟期とは、最大身長増加期の前、中、後にあたる10~16歳の時期を指す)。また、成長、力、楽しさなどの重要な因子を考慮した、若年女性アスリートのための実践的なS&Pトレーニング方策も示されていない。そこで本稿では、若年女性のスプリントパフォーマンスに対する漸進的なS&Pトレーニングの重要性を示し、学期制の範囲内で実施可能な、実践的なトレーニングプログラムを提案する。つまり、1学期内に実施可能な8週間のトレーニングブロックにおいて、筋力とパワーを向上させるエクササイズの漸進例を示す。

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