Strength and Conditioning Journal Japan
Online ISSN : 2759-0674
Print ISSN : 1883-4140
From Strength & Conditioning Journal
緊急事態対応者の負荷運搬
Robin M. OrrRobert LockieAnssi SaariTommi PaavolaDagmar MuhlbauerJay Dawes
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2024 年 31 巻 5 号 p. 51-56

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抄録

捜索救助(SAR)隊員は、職務において外的負荷の装着および運搬を課せられる。外的負荷の運搬は、過酷な環境下で、予測不可能な地形を移動しながら実施されることもある。他のタクティカルな職種(兵士、法執行官、消防士、救急隊員)と同様に、SARにおいて運搬する負荷は20~45 kgに及ぶ。これらの負荷は、運搬者の筋骨格系、外皮系、および神経系に様々な傷害を引き起こすだけでなく、負荷が職務パフォーマンスの妨げとなり、ひいては任務の失敗に繋がることが知られる。職務において外的負荷を運搬できる体力を身につけることは、このような傷害およびパフォーマンス低下の潜在的リスクを低減する上できわめて重要である。最適な負荷運搬のためのコンディショニングにおいては、既存の頻度、強度、時間、トレーニングの種類の原則に基づき、SAR隊員は、負荷運搬に特異的なセッションを7~14日ごとに、標準的なSARの負荷の重量、歩行速度、および継続時間を用いて実施する。同様に、地形の種類(地形の勾配や性質)の要素も、コンディショニングのプロセスに取り入れるべきである。負荷運搬に特異的なセッションに加え、筋力(特に相対筋力)と有酸素性能力の向上も、SAR隊員の負荷運搬のためのコンディショニングを最適化する。

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