Strength and Conditioning Journal Japan
Online ISSN : 2759-0674
Print ISSN : 1883-4140
青少年における慢性痛への介入のための神経筋系トレーニングを対面からリモート提供へ転換する
Staci M. ThomasKatie F. BeasleyJennifer C. Rodriguez-MacClinticSara CollinsGregory D. MyerSusmita Kashikar-Zuck
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2024 年 31 巻 6 号 p. 31-41

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抄録

若年性線維筋痛症(JFM)は、広く骨格筋に及ぶ慢性の疼痛症状であり、日常生活能力を低下させ、多くの併存症状を示す。最新のガイドラインでは、理学療法や認知行動療法(CBT)を含めた多面的な治療が推奨されている。線維筋痛症への介入には、定期的な有酸素性トレーニングとストレングスエクササイズが有効であり、訓練を受けた専門職の監督下で実施することが推奨されている。2020年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行によって各国の医療システムが崩壊し、医療実践はプラットフォームを遠隔健康管理に移すことを余儀なくされた。COVID-19の大流行による制限の下、線維筋痛症の青少年に対面で提供されてきた線維筋痛症統合トレーニング「FIT Teens」プログラムも、セッションが中断された。このプログラムには、神経筋系トレーニング(NMT)とグループで実施するCBTが組み込まれていた。介入の選択肢を維持するため、行動および運動介入部門が、リモートプログラムに移行された。本稿は、NMTプロトコルの調整過程を検証し、実施面および臨床面の留意点を指摘して、リモート提供の利点と制限を明らかにする。リモートでのNMTプログラムには、対面プログラムの主要素が保持されており、パンデミックの最中も介入を継続することを可能にしている。現在、医療の多くの側面が遠隔健康管理に移行され、将来的にこの種の介入を提供することが期待されている。FIT Teensプロジェクトから得られた知見は、今後のリモートによる運動介入の設計に役立つであろう。

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