2024 年 31 巻 6 号 p. 5-11
すべての子どもたちに安全なスポーツの機会を提供することは、プレーヤーを取り巻くアントラージュ(選手とかかわりをもつすべての人々を指す)が果たすべき責務である。子どもの外傷・障害は、競技活動の休止といった短期的な弊害に留まらず、後遺障害や機能障害の残存といった長期的な弊害をもたらすことさえある。特に、子どもの身体は成長の過程にあるため、構造的な脆弱性を呈する部位や体格変化に富む時期がある。本稿では、こうした子どもの特性を踏まえながら、外傷・障害の予防に向けた着眼点を提示したい。