近年、スポーツ科学者は、ハイパフォーマンスサポートスタッフの重要な一角を占めるようになった。スポーツ科学者の役割は、今や多くの競技や組織で広く受け入れられ評価されている。しかし環境によっては、頻繁な人員交代や人事異動など、雇用を不安定にする要素が存在する。スポーツや組織によって、特にチームスポーツと個人スポーツとでは、スポーツ科学者に与えられる責任や寄せられる期待にも違いが存在することが多い。これは、競技間や組織間における役割の移行や新たな役割の成功を難しくする。したがって、新たな雇用を得たのちに、職業的に成功して仕事の不安定を解消するには、各競技の文化と期待の範囲で様々な環境や仕事に適応する能力が不可欠である。本稿は、個人スポーツにおいて学際的なスポーツ科学を活用するための枠組みを提供する。そして事例研究や個人的な反省も含めて、現実の環境を引き合いにしてこの枠組みを説明する。さらに、個人スポーツでスポーツ科学者が働くことについて独自の考察と知見を提供する。結果として、これらがスポーツ科学者の役割に転移されることを願う。