Strength and Conditioning Journal Japan
Online ISSN : 2759-0674
Print ISSN : 1883-4140
エリートレベルの車いすバスケットボールにおける身体特性と競技の要求
Leanne SnyderPaul S.R. GoodsPeter PeelingMartyn BinnieJeremiah J. PeifferAaron BallochBrendan R. Scott
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 32 巻 5 号 p. 23-33

詳細
抄録

車いすバスケットボール(WCB)は、障害のあるアスリートに最も人気の高いスポーツのひとつである。多様な障害のある選手が競技に参加するため、非常に包摂的(様々な要素を一定の範囲に包み込むこと)なスポーツである一方、パフォーマンスサポートの様々な側面に固有の課題がある。本レビューは、エリートレベルのWCB選手における身体特性と競技の要求に関する先行研究を概観し、パフォーマンスを向上させるための身体的準備におけるベストプラクティスを専門職に提供することを目的とする。多くの身体特性および能力がパフォーマンス向上に寄与することが報告されており、パフォーマンスのベンチマーク設定に役立つ。WCB選手におけるこれらの能力の評価には、個人における障害の影響や、選手と車いすの相互作用を踏まえた特別な考慮が必要である。また、WCB選手のプロファイリングには、非障害者のバスケットボールとは異なる競技の要求があることを理解する必要がある。本レビューでは、試合中における動作の追跡に関して、様々なトラッキングデバイスを用いて試合中の動作を追跡した先行研究を取り上げており、近年の研究から、慣性センサが、精度が高く実用的な選択肢であることが明らかになっている。競技の要求に対する選手の内的反応は、障害、特に脊髄損傷に伴う障害によって異なるため、内的負荷のモニタリングには、個別のモニタリング方法を実施するなど、特別な考慮を要する。

著者関連情報
© 2025 NSCAジャパン
前の記事 次の記事
feedback
Top