脳卒中の外科
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総  説
脳血管内外科医を含む脳神経外科医が知っておくべき種々の異形脳静脈について
吉田 浩貴赤須 功田中 将大松崎 粛統山川 功太北川 亮酒井 淳沼澤 真一伊藤 康信渡邉 貞義森 健太郎
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2022 年 50 巻 1 号 p. 8-13

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抄録

脳静脈や静脈洞はかなりのバリエーションがあり,ときに developmental venous anomaly と称される異形を呈する場合がある.多くの異型脳静脈自体は病的なものではないが,ときに頭蓋内疾患の近傍に存在することがある.そのような場合では,異形静脈は手術アプローチや対象病変の治療の邪魔になる場合がある.そのような異形静脈の術前情報なしに手術を行った場合には,硬膜切開時に大出血をきたしたり,静脈性浮腫のため予期せぬ術後の障害をきたす可能性がある.それゆえ,脳血管内外科医を含む脳神経外科医は,そのような静脈性合併症を避けるために治療方法(血管内治療か開頭術か)や手術アプローチに関与するような異形静脈の存在を知っておく必要がある.今回われわれは,術前に施行された3次元CT静脈画像(3DCTV)画像にて発見された8つの脳静脈あるいは静脈洞の異形を報告し,予期せぬ静脈性合併症をきたさぬよう注意を喚起する.

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© 2022 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
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