臨床リウマチ
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誌上ワークショップ 臨床医家に必要なリハビリテーションの実際
スプリント革命―愛されるスプリントとは―
林 正春
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2011 年 23 巻 3 号 p. 233-238

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抄録

   関節リウマチの治療技術のひとつにスプリント療法があり,以前より確立されている.しかし,薬物療法の発展とともにその目的が変化しつつある.これまでは出来上がった変形に対してそれ以上変形が進行しないよう予防目的で作製したり,痛みや炎症が出現した関節に安静目的で作製する場合が多かったが,現在は,変形の進行を未然に防ぐ目的やスプリントを装着し,筋・関節の正しい運動機能を発揮させ直接ADLやQOLに生かすといった新しいスタイルのスプリント療法が加えられる.新しいスタイルのスプリント療法を確立するために,素材選びや形を吟味し新たなスプリントを生み出すにはかなりの労力を必要とするが,完成したスプリントが対象者の生活に必要不可欠(人生密着型スプリント)となれば,そのスプリントに対しての愛情が深まる.この愛情が込められるスプリントを如何に作製できるかが今後の関節リウマチの治療の中で作業療法が生き残っていく鍵となると思われる.スプリントは装着しないとその効果が得られない,よって,装着率を向上させるための取り組みとして,装着感の良さはもちろんのこと,スプリントが装具としてのやや重いハード感覚から,ファッションの一部のようなライト感覚へ移り行くことを目指し,研究開発していきたいと考える.

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© 2011 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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