脳卒中の外科
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症  例
脳動脈瘤血管内治療に関連し発生したニッケルアレルギーによる遅発性白質病変の1例
齋藤 総舘岡 達金丸 和也吉岡 秀幸橋本 幸治若井 卓馬福田 憲人木内 博之
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2022 年 50 巻 6 号 p. 514-518

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抄録

脳動脈瘤に対する血管内治療の普及に伴い,デバイスに用いられるニッケルによるアレルギーや,polyvinylpyrrolidone(PVP)の飛散がもたらす異物塞栓による遅発性白質病変が報告されるようになってきた.今回われわれは,ステント併用動脈瘤塞栓術後にニッケルアレルギーによると考えられる遅発性白質病変を認めた1例を経験した.ニッケルアレルギーとPVPの飛散がもたらす異物塞栓は,臨床経過が類似しているために経過からでは鑑別は困難である.鑑別には脳生検が有用とされているが,パッチテストも有用な可能性がある.

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© 2022 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
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