2022 年 50 巻 6 号 p. 514-518
脳動脈瘤に対する血管内治療の普及に伴い,デバイスに用いられるニッケルによるアレルギーや,polyvinylpyrrolidone(PVP)の飛散がもたらす異物塞栓による遅発性白質病変が報告されるようになってきた.今回われわれは,ステント併用動脈瘤塞栓術後にニッケルアレルギーによると考えられる遅発性白質病変を認めた1例を経験した.ニッケルアレルギーとPVPの飛散がもたらす異物塞栓は,臨床経過が類似しているために経過からでは鑑別は困難である.鑑別には脳生検が有用とされているが,パッチテストも有用な可能性がある.