脳卒中の外科
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症  例
血管内治療後に再発した大型内頚動脈傍床突起部脳動脈瘤に対してhigh-flow bypass併用母血管閉塞術は治療法の選択肢となり得る
大友 朋子山田 理森田 修平山川 功太赤須 功北川 亮吉田 浩貴酒井 淳沼澤 真一伊藤 康信渡邉 貞義森 健太郎
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2023 年 51 巻 5 号 p. 438-441

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抄録

症例は57歳,女性.大型の内頚動脈傍床突起部脳動脈瘤が偶然に発見され,ステントアシスト法を用いたコイル塞栓術で治療を受けたが,すぐに再発した.脳血管撮影では瘤内に造影剤の流入を認めたが,頚部にはクリッピング術に必要なスペースはなかった.しかしながら血管内治療による再治療は希望されなかった.頭蓋内外のhigh-flow bypassを施行して頚部内頚動脈を結紮した.術後問題なく,bypass治療から12カ月経過したが再発を認めていない.血管内治療後に再発し,クリッピング術が不可能な傍床突起部脳動脈瘤症例に対して,high-flow bypassを併用した母血管閉塞術は治療の選択肢となり得る.

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© 2023 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
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