脳卒中の外科
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症  例
同側内頚動脈閉塞症に合併した後交通動脈中間部破裂動脈瘤に対するバイパス術併用コイル塞栓術の1例
蜂谷 慶今井 資雄山 隆弘川端 哲平野田 智之齋藤 竜太槇 英樹
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2024 年 52 巻 2 号 p. 123-128

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抄録

後交通動脈中間部の動脈瘤はまれである.今回,同側内頚動脈閉塞に合併した後交通動脈中間部の動脈瘤破裂によるくも膜下出血を経験したため報告する.症例は70歳代,男性.右内頚動脈閉塞に合併した後交通動脈中間部脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血に対し,浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術後に後方循環経由でコイル塞栓術を行った.症候性血管攣縮は認めず,治療直後は不完全閉塞であったが,術後4年で動脈瘤は完全閉塞し再発なく,バイパス血管の閉塞も認めていない.内頚動脈閉塞による血行力学的負荷で発生した同側の真の後交通動脈瘤の血管内治療は動脈瘤の不完全閉塞や母血管閉塞リスクがあるが,バイパス術併用は周術期および血管攣縮期の虚血リスク低減のみならず中長期的な動脈瘤再発予防にも寄与する可能性があり有効なオプションとなり得る.

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© 2024 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
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