2024 年 52 巻 2 号 p. 129-133
今回われわれは高度狭窄を有する内頚動脈(ICA)から直接起始するpharyngo-occipital artery(POA)をもつ症例を経験した.POAはICAの起始部にできる分岐血管の中では稀有な血管変異である.症例は75歳,男性,突然の構音障害を主訴に当院に救急搬送された.来院時神経学的所見で構音障害と左口角下垂を認めた.頭部MRIおよびCT angiography(CTA)で右頭頂葉皮質下に脳梗塞と右内頚動脈狭窄症(NASCET 68%)を認めた.CTA,MRIプラークイメージ,エコー検査により高度石灰化と脆弱性プラークを認める病変であったため,CEAを施行することとしたが,術前の脳血管造影検査(DSA)の評価でPOAを認めた.術中の逆流性の出血とプラーク飛散を懸念し,分岐血管周囲の剝離や遮断方法を検討することで,CEAを安全に施行できた.CEAにおいて術前DSAが有用だった症例を報告する.