2024 年 52 巻 6 号 p. 471-479
小脳テント部の硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula:dAVF)は治療に難渋することが多いが,その中でも内側型のガレン静脈近傍のものは軟膜栄養血管が多く存在し,血管内治療後の出血が多いという報告もある.しかし,直達手術やガンマナイフでも治療は非常に困難であり満足できる成績は得難いとされ,この部位のdAVFに対しての治療戦略についての検討が必要である.今回われわれはAVMナイダス様の構築を合併する同部位のdAVFの症例を経験した.複数回に分けた治療の最終段階では小開頭による中硬膜動脈の直接穿刺を用いた経動脈的塞栓によりほぼ完全閉塞が得られたにもかかわらず,術中に脳内出血をきたした症例を経験したので報告する.