脳卒中の外科
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原  著
大阪大学脳神経外科における中堅術者による脳卒中の外科診療のリアルワールド
尾崎 友彦中村 元高垣 匡寿貴島 晴彦
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2025 年 53 巻 1 号 p. 14-21

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抄録

血管内治療の普及に伴い,直達術の割合は低下傾向にある.その中で,技量の上達をどう行うかは重要な課題である.われわれは,大阪大学における中堅術者による脳卒中の外科診療の実態を調べ,技量維持に必要な事項を考察した.卒後10-20年の脳神経外科専門医を対象に2022年の1年間に脳卒中の外科手術の術者として経験した症例数ならびに技量上達の有無をアンケート形式で集計した.24施設,44名から回答を得た.クリッピング術の年間症例数は,0例:17名,1-2例:12名,3-4例:6名,5-6例:7名,7-8例:2名.技量が上達,横ばい,低下と答えた群の年間症例数は,それぞれ3±0.9例,2.3±0.5例,1.1±0.6例であった(p=0.1517).頚動脈内膜剝離術の年間症例数は,0例:31名,1-2例:7名,3-4例:4名,5-7例:2名.上達,横ばい,低下と答えた群の年間症例数は,それぞれ3.3±0.5例,0.7±0.3例,0.1±0.3例であり,上達群は横ばい,低下群に対し有意に多くの症例数を経験していた(p<0.0001).STA-MCAバイパスの年間症例数は,0例:25名,1-2例:10名,3-4例:6名,5例:3名.上達,横ばい,低下と答えた群の年間症例数は,それぞれ3.2±0.5例,1.3±0.3例,0.3±0.3例であり,上達群は横ばい,低下群に対し有意に多くの症例数を経験していた(p<0.01).日常的に吻合練習を行っている群は,行っていない群と比較し,有意に技量が維持されたと答えた(100% vs 48.7%,p=0.0156).主観的ではあるが,技量維持に必要な症例数が明らかになった.しかし,これらの数は決して十分な数ではなく,日々の練習が必要不可欠であると考えられた.

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