脳卒中の外科
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原  著
中大脳動脈末梢部動脈瘤の臨床的特徴と外科治療
河本 俊介池田 剛斉藤 克也阿久津 善光深谷 春介奥貫 かなえ阿久津 博義
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2025 年 53 巻 1 号 p. 22-30

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抄録

中大脳動脈末梢部動脈瘤(dMCAANs)の臨床的特徴と外科的治療について検討した.2003年以降に開頭による直達術を行った2,113動脈瘤(破裂775個,未破裂1,338個)のうち,dMCAANsは53個(2.5%)で,患者数は48例(男性15例:女性33例,平均年齢63.1歳)であった.治療のprimary targetであった瘤は27個(26患者;破裂5個)で,大きさは平均8.3mm(3.3-40.0mm),部位はM2:11個,M2-3:12個,M3:3個,M4:1個で,増大を呈したもの14個であった.12.5mm以上の大型動脈瘤は5個で,うち2個が血栓化(完全:1個,部分:1個),この他に9mmの血栓化瘤が1例,石灰化瘤が1例,それぞれみられた.他の動脈瘤と同時に処理されたsecondaryのものは26個(25患者)で,大きさは平均2.9mm(2-6mm),部位はM2:19,M2-3:7であった.多発瘤保有患者は32例(66.7%)で,36個(67.9%)が多発瘤の一部としてみられた.治療法としては,clipping:46個,trapping+bypass:4個,wrapping:2個,excision:1個が行われた.シルビウス裂末梢部での母血管と動脈瘤の露出には,弁蓋との位置関係を考慮したポジショニングで,到達・確認が容易なM2の起始部から末梢へと辿るアプローチが確実であった.血行再建時のrecipientの同定,また術中の動脈瘤の部位の特定にインドシアニングリーン蛍光血管造影,術中ナビゲーションがそれぞれ有効な例があった.破裂例5例中4例は脳内血腫を伴い予後不良であったが,その他では良好な転帰を得た.dMCAANsは,単純なclippingから高度な血行再建を要する症例まで多様であり,画像および術中の所見に応じた柔軟な戦略が重要である.

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