脳卒中の外科
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原  著
中間カテーテルの位置が及ぼす脳血管ステント留置術への効果
井上 文渡辺 大介丸岡 響金丸 晃大加藤 大地堤 将輝
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2025 年 53 巻 1 号 p. 6-13

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抄録

頭蓋内脳動脈狭窄に対する脳血管形成術/ステント留置術は外科的治療法の1つとして行われている.しかし,頭蓋内動脈狭窄用ステントはデリバリーシステムが比較的硬く,安全かつ確実な手技手法は未確立である.2021年より屈曲蛇行血管に対応した高度屈曲対応型中間カテーテル(intermediate catheter:IMC)が登場し,安全性と治療結果の向上に資することが期待されている.高度屈曲対応型IMCの脳血管ステント留置術における影響を検討した.

2021年1月から2023年6月までに脳血管ステント留置術を施行した連続22例を対象とした.従来型IMCを使用した群と高度屈曲対応型IMCを使用した群とを比較検討した.高度屈曲対応型IMC群が15例,従来型IMC群が7例で,前方循環系の硬膜内病変は高度屈曲対応型IMC群のみであった.高度屈曲対応型IMC群は,有意に狭窄病変近傍まで誘導できていた.全例手技を完遂しており,術中合併症はなかった.

従来型IMCと比し,高度屈曲対応型IMCは標的病変の近傍まで誘導できた.標的病変近傍までIMCを含めたガイディングシステムがあることで,操作性の向上が期待でき,安全性向上に寄与することが示唆された.また,送達性の向上も期待でき,tortuosityが影響する病変でもステントが留置できており,手技の完遂率向上に寄与することが示唆された.

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