2025 年 53 巻 2 号 p. 96-101
RNF213遺伝子変異は,もやもや病の主たる感受性因子であり,p.R4810K変異は,日本人の患者の8割以上に共通して認められる.HDL低下など遺伝子変異以外のリスク因子も報告されるようになったが,病態は十分に解明されていない.RNF213が細菌やウイルスなどの細胞内寄生体に対する免疫応答を担っていることが明らかとなり,もやもや病での細胞内寄生体の関与が示唆された.そこで,われわれは,ウイルスの感染既往や腸内細菌叢がもやもや病と関連するかどうか,探索的な研究を行った.その結果,HHV6ウイルスの感染率が患者で有意に低く,腸内細菌のRuminococcus gnavusの相対割合が有意に増加していることが明らかとなった.いずれも,p.R4810K変異とは独立して疾患と関連していた.HHV6は,2型炎症にかかわるIL-13とIL-5を抑制し,Ruminococcus gnavusは,それらを上昇させることが報告されている.よって,1型炎症を主体とする動脈硬化に対して,もやもや病は2型炎症を主体とする疾患である可能性が示唆された.