脳卒中の外科
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症  例
1歳児の中大脳動脈細菌性動脈瘤に対してSTA-MCA bypass併用trapping術が有効であった1症例
堀 貴洋山口 浩司小田 侑一千葉 謙太郎藍原 康雄川俣 貴一
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2025 年 53 巻 3 号 p. 177-181

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抄録

細菌性脳動脈瘤は,破裂するとくも膜下出血を発症し,重篤化することが多いため,適切な診断および治療が重要である.1歳児の感染性心内膜炎に合併した右中大脳動脈細菌性脳動脈瘤に対して,STA-MCA bypass併用trapping術を施行し,良好な経過を得た症例を報告する.症例は1歳女児で,心室中隔欠損に対する術後に感染性心内膜炎を発症した.抗菌薬加療をされていたが,右中大脳動脈(MCA)M2 superior trunkの閉塞による脳梗塞を発症し,後大脳動脈の細菌性脳動脈瘤を認めた.1週間後に,後大脳動脈瘤は抗菌薬投与で消失したが,MCAは再開通し動脈瘤の出現があり,出血リスクが高いと考え,同病変に対して直達手術による再破裂予防を行った.動脈瘤の母血管に狭窄を認め,母血管の末梢にSTA-MCA bypassを施行し,安全にtrappingを行うことができた.有害事象なく経過し,同動脈瘤は消失した.抗菌薬加療継続によって,その他の動脈瘤も治癒が得られた.細菌性脳動脈瘤の壁は脆弱であり,neck clippingやcoil embolizationが困難な場合が多く,母血管閉塞が選択されることが多い.中枢病変であれば,広範囲の虚血につながるおそれがあるため,バイパスを念頭に手術を行う必要がある.

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© 2025 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
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