2025 年 53 巻 4 号 p. 224-230
頭蓋内多発動脈瘤の症例において,動脈瘤が破裂後に血栓化したことにより画像検査で検出できず,未破裂動脈瘤を出血源として治療し,後日,血栓化動脈瘤の再破裂を起こした教訓的な1例を経験したため報告する.
症例は61歳,女性で,後頭部から背部にかけての疼痛のために,当院救急外来を受診した.救急外来にて痙攣を発症し,頭部CTでくも膜下出血を認めたため,当科に紹介された.3DCTAと脳血管造影検査で精査を行い,血腫の局在は非典型的ではあったが,distal ACA動脈瘤以外に病変を認めず,同病変の破裂によるくも膜下出血と診断し,開頭クリッピング術を施行した.第12病日に,くも膜下出血再発による意識レベル低下を契機に血栓化していた右内頚動脈瘤が明らかになり,初回,2回目の出血の責任病変と判断した.コイル塞栓術を施行し,mRS 4でリハビリテーション病院へ転院した.
破裂血栓化動脈瘤に未破裂動脈瘤を合併すると,出血源を見誤り,再出血につながることがあるため,血腫の局在が典型的ではないときは,血栓化動脈瘤の存在を考慮し,動脈瘤検索を繰り返す必要がある.