脳卒中の外科
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症  例
コイルを併用したflow diverter stent留置による再治療が奏効した大型内頚動脈後交通動脈分岐部破裂動脈瘤の2例
古屋 春菜石井 洋介阿久津 壮酒井 亮輔澤柳 文菜武井 孝麿根本 繁
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2025 年 53 巻 5 号 p. 333-338

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抄録

flow diverter stent(FD)は大型動脈瘤に対する高い治療効果が報告されているが,分枝血管を伴う動脈瘤での治療効果は確立されていない.大型内頚動脈後交通動脈分岐部(IC-PC)破裂動脈瘤に対してコイル併用FD留置術が奏効した2例を経験したので報告する.

症例 1:72歳,女性.頭痛を主訴に受診し,右IC-PC動脈瘤の破裂によるくも膜下出血を診断された.動脈瘤は10mm大でwide neck,後交通動脈(Pcom)は非胎児型でdomeから分枝していた.急性期のコイル塞栓術から8カ月後に動脈瘤再開通を認め,コイル併用FD留置術を施行した.12カ月後の血管撮影でPcomは狭小化し動脈瘤は描出されず,O’Kelly-Marotta(OKM)scale Cと判断した.

症例 2:72歳,女性.意識障害を主訴に受診し,左IC-PC動脈瘤破裂によるくも膜下出血を診断された.動脈瘤は13mm大でPcomは動脈瘤のneck近傍から分岐し,P1径とPcom径は同程度であった.同日コイル塞栓術を施行したが2カ月後に再開通を認め,コイル併用FD留置術を施行した.治療直後Pcomは内頚動脈撮影で描出されていたが,10カ月後の血管撮影で動脈瘤は完全閉塞しPcomは描出されず,OKM scale Dと判断した.

コイル塞栓術後に再開通を認めた破裂IC-PC動脈瘤に対しコイル併用FD留置を行い奏効した2例を経験した.治療に難渋する大型IC-PC動脈瘤に対する選択肢としてFD留置術が考慮される.

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