脳卒中の外科
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症  例
成人AVMに対するガンマナイフ治療25年後に複数の放射線誘発性病変が同時進行し病理学的に確認された1例
光延 仁雄伊藤 陽子磯部 尚幸髙野 元気大庭 信二
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2025 年 53 巻 5 号 p. 339-345

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抄録

ガンマナイフ治療は脳動静脈奇形(AVM)に対する有効な治療法として広く用いられているが,長期的には放射線誘発性の血管病変を生じることがある.本症例は,30歳を超えてAVMに対するガンマナイフ治療を受けた成人患者が,治療から25年を経ててんかん発作と左下肢麻痺を呈した.外科的摘出が行われ,術中および摘出標本の肉眼的観察により,放射線誘発性海綿状血管奇形(cavernous malformation),囊胞,慢性被包化血腫(chronic encapsulated hematoma)の3病態が同時に存在することが確認された.摘出標本の病理診断によりcavernous malformationと確定され,術後症状は改善し社会復帰を果たした.

本症例は,成人発症のAVM治療例において,radiation-induced vasculopathyの自然史の中でcavernous malformation,cyst,hematomaが段階的に形成され進展したことが病理学的に確認された稀有な報告であり,長期的な経過観察の重要性と今後の症例集積の必要性を示している.

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