脳卒中の外科
Online ISSN : 1880-4683
Print ISSN : 0914-5508
ISSN-L : 0914-5508
総  説
重症くも膜下出血に対する周術期管理
太田 剛史小柳 正臣後藤 正憲福光 龍春原 匡福井 伸行髙原 正樹石川 友美宮田 真友子梶浦 晋司山元 康弘笠島 一洋山本 健太野本 未佳子髙松 昂央徳田 匡紀冨田 ひかり吉本 舞大賀 勇範厚主 健太秦泉寺 皓晟
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 53 巻 6 号 p. 363-368

詳細
抄録

破裂脳動脈瘤性くも膜下出血では,再出血予防のための出血部位修復だけでなく,術前後の周術期管理も重要である.手術までの再出血防止を目標とした術前管理では,静脈麻酔導入や適度な降圧が妥当である.抗線溶剤投与の臨床転帰への影響は限定的である.抗血栓療法中の発症では該当薬の投与中止が推奨される.脳室ドレナージの再出血リスクについては見解が分かれる.術後は脳血管攣縮の予防と治療が中心である.クラゾセンタンは国内試験で有効性が示されたが,国際試験では有意差が認められず,投与量や併用療法の違いが影響している可能性がある.腰椎ドレナージは,退院時の二次性梗塞や6カ月後の神経学的予後不良を減少させるかもしれない.低ナトリウム血症や髄膜炎も脳血管攣縮に関与する.輸血閾値の調整や予防的抗てんかん薬投与は転帰改善に関係がない可能性がある.入院時点での予後予測は困難なことから,急性期の治療撤退は慎重に判断すべきである.さらに今後は高齢化に伴い治療の経済性も課題となるかもしれない.

著者関連情報
© 2025 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
次の記事
feedback
Top