2026 年 54 巻 2 号 p. 76-81
破裂椎骨動脈解離に対しては母血管閉塞が主に行われてきたが,近年,穿通枝梗塞が多く報告されている.われわれは対側のVA低形成や解離部にPICAや穿通枝が関与した症例でstent assisted coiling(SAC)を施行してきたが,tight packing困難な症例もあり,早期再発と再治療が課題である.われわれは,SAC後の再発に対し,flow diverter(FD)をoverlapしている.2015年から2024年末までに,破裂椎骨動脈解離に対して急性期SACを施行した9例,10動脈瘤を検討した.10病変中5病変(50%)で再治療を要した.再治療は,2例はcoil追加とstent overlap,3例はFDをoverlapした.再治療を行った全例で,虚血性合併症も再出血も認めなかった.follow-upの血管撮影では,FDを追加留置した全例で,動脈瘤は完全閉塞していた.SAC後再発に対するFD再治療は,coil追加が不要なためtrans-cellのリスクがなく,シンプルな手技で完全閉塞が得られる可能性があり,安全な治療選択肢の1つとなり得ると考えられた.