抄録
ソフトウェア開発の工数見積りでは、過去のプロジェクトデータの分析に基づいて見積りモデルを構築するのが一般的とされている。しかしながら、企業によっては過去のプロジェクトデータが少なく、また分析も行われていないケースも見受けられる。そうした企業では、プロジェクトマネージャが過去の経験や勘を駆使して見積ることにより、再現性の無い見積りが繰り返されることが懸念されている。
CoBRA※1法はこうした課題を解決する見積り評価手法であり、少量のプロジェクトデータとプロジェクトマネージャの経験則があれば、工数の見積り評価モデルを構築出来るのが特長である。
IPA/SECは、CoBRA法を活用した簡単な操作で効率良く工数見積りを行うための支援ツールを開発した。CoBRA法は現在ツールのβ版の評価中であり、利用者のニーズに沿った改善を行った後、2010年春に一般公開を予定している。ここではこのβ版「CoBRA法に基づく見積り支援ツール(体験版)」について解説する。