本論は小学校図画工作6年生の「絵に表す」題材において,生成的に作品が生み出されその過程を通して自分なりの新たな意味や価値が創造されるような授業実践とはいかなる学習構成であり,いかなる教師の指導や援助が必要かを二つの授業実践から考察した。結果として,「1)材料との関わりや表現行為が生み出す変化に柔軟に反応すること」「2)予想したイメージとのズレや偶然の発見,失敗さえも新たなイメージの模索が始まるためのきっかけにしていく」ことによって,未知なる表現活動の生成的な探求の先に新たなイメージをつくりだすことができることが明らかになった。同時に教師は,「造形あそびをする」活動の過程や省察的な鑑賞活動の視点を鑑み「3)柔軟な学習設定を立て『個に応じた指導』によって児童とともに開かれた教師として共に探求する」態度が重要であることがわかった。