2017 年 70 巻 p. 142-152
鹿児島県山川地熱地域において,地熱貯留層探査技術開発の一環である弾性波探査実証試験として取得された3次元弾性波探査データを対象として,不連続箇所を強調・抽出することができるcoherenceアトリビュートを評価した。得られたcoherenceアトリビュートは,dip/dip azimuth,ならびにcurvatureアトリビュートから推察される地質構造や,既往文献(Okada and Yamada, 2002)に報告されていた坑壁比抵抗イメージによって検出された天然フラクチャーの分布と整合的であることが確認された。総じて,ジオメトリカルアトリビュート解析によって信頼性の高い断裂系分布の推定ができており,地熱地域における断裂系把握への有効性が示されたものと考えられる。