2021 年 53 巻 p. 15-30
金融に関する知識(金融リテラシー)について岡山県内の高校生約5500人を対象にアンケート調査を実施し、その調査結果に基づき実証分析をおこなった。本調査は高等学校の協力により行われたため、回答者がアンケート調査に積極的な者に偏らないという意味で標本の偏りが小さい。アンケートの前半では回答者の金融リテラシーのレベルを測る質問を、後半では考え方や行動パターン(ライフスタイル)を聞く質問を設けた。この2つの関係を調べたところ、「漠然とした進学意識や就業意識」を有する高校生は金融リテラシーのレベルが低くなる傾向があることが明らかになった。個人のライフスタイルに配慮した金融経済教育の重要性が示唆される。