暑熱環境で,WBGTの示す数値は気温より低く,これは生活実感に合致しない.そこで,人間の感覚に合う新しいWBGT指標の作成を目的とした.Gagge(1976)によれば,湿り空気線図上において等しいWBGTを与える直線が引ける.線図上でWBGTの値は,相対湿度100%の時の温度である.そこで,基準とする湿度を変更し,相対湿度50%の場合の温度を新しい指標WBGT50と定義した.WBGTとWBGT50との関係を計算した結果,WBGTが31℃の時,WBGT50は36℃となった.熱中症の危険を表すには妥当な数値を示しており,この指標の有用性が確認できた.