1週間の睡眠指標の変動が社会的時差ボケを評価する指標に成り得るものと研究仮説を立てた.本研究は1週間の睡眠指標の変動,クロノタイプ,平日と休日の睡眠時間の中央値の差(社会的時差ボケの従前の指標)の関係から明らかにした.対象者は男子大学生1,000名とした.対象者は1週間の起床と就寝時刻を記録した.さらに,睡眠時間と睡眠指標の1週間の変動の指標を算出した.クロノタイプはミュンヘンクロノタイプ質問紙(MCTQ)日本語版を使用した.平日と休日の睡眠時間の中央値の差と1週間の起床,就寝時刻の標準偏差,睡眠時間の変動係数の間に有意な正の相関関係が観察された.社会的時差ボケが休日の睡眠の延長のみならず,起床や就寝時刻の不規則性によっても引き起こされる可能性が示唆された.本研究の知見は,平日と休日を合わせた1週間の睡眠指標の変動が,社会的時差ボケを評価する新しい指標に成り得る可能性を示すものである.